お笑い

チュートリアル2006年M-1優勝。2001年ネタ低評価から飛躍

チュートリアルとはどんなコンビ?

徳井義実(とくいよしみ、1975年4月16日生)
福田充徳(ふくだみつのり、1975年8月11日生)
の2人からなるお笑いコンビ。
立ち位置は徳井が向かって左、福田が右です。
結成年は1998年。

(敬称は省きます)

ネタ担当は主に徳井が作り徳井がボケです。福田が突っ込みですが徳井の妄想的なボケに対して的確に突っこんでいく福田の突っこみの技術は高いと言えます。2人のお笑いの感性が重なり非常にいいコンビです。

ですから徳井が起こした不祥事はショッキングでした。時間をかけて社会的信頼を少しずつ取り戻していくしかないですが以前の姿に完全に戻ることができるかは疑問です

徳井の同期はブラックマヨネーズ、次長課長、野生爆弾など。福田の同期は笑い飯(哲夫)、レイザーラモンなどで芸歴的には徳井の方が先輩になります。

最初はオーソドックスなしゃべくり漫才で徳井の方が高校時代からお笑い活動を行っていました。相方の芸人引退なども重なりNSC進学後に大学進学をして1回芸人を辞めたりと少し変わった経歴を持っています。
相方の福田とは幼稚園からの幼馴染で同性愛を疑われるほど仲が良かったようです

基本はしゃべくり漫才ですがコントもやります。徳井1人でもR1グランプリで決勝に行ったりと実績はありますがネタが独特過ぎて敗れていました(確か女性の下着を被って終わるようなネタだったはず)

初出場であった2001年第1回M1グランプリ。評価は?

第1回2001年M1グランプリに出場します。チュートリアルはコンビ結成後の評価はABC上方お笑い新人グランプリなどで優秀新人賞を獲得したりとある程度の評価は受けていたようです。

ネタは桃太郎をぱろって恋愛に発展させていく漫才で素人の私から見てもあまり面白いものといえるものではありませんでした。明らかに緊張していましたし。なのでネタの詳細もあまり覚えていません。ただ「いかんせんオレ桃太郎だから」などのようなワードで少し笑ったのはありました。

そして結果は10組中第8位。1,000点中637点の獲得です。さらにダウンタウンの松本人志からは1番下の50点をつけられています。島田紳助からの評価も低く下から2番目の60点でした。(1番下はおぎやはぎの50点)

もちろん松本人志からの評価が全てではないですがお笑い芸人は彼を目指している人も多い為落ち込みようも凄かったようです。
2人とも「芸人を辞めようかと思った」ほどの落ち込みようだったとか。

2001年第1回大会は中川家の優勝、ハリガネロックの準優勝という形で幕を閉じました。

チュートリアル2002年!M1グランプリから姿を消す

落ち込みはしましたが無事に芸人を続けることになったチュートリアル。お笑い活動を続けていきます。

徳井はM1で敗れて落ち込んでも舞台などの仕事はやってくる。それをこなしていくうちに落ち込んでいる暇もなくなり傷も癒えていったと語っています。

しかしこの後は準決勝までは進むもののチュートリアルはM1グランプリの2002年、2003年、2004年まで決勝まで進むことは出来ていません。
いままでのようにオーソドックスな漫才をやっていたのだと思います。

しかしオーソドックスなしゃべくり漫才といっても、もともと徳井のボケは少し独特であり福田がそこに的確に突っこんでいくのでチュートリアルは少し変わったコンビだという印象があります。

その間も関西のネタ見せ番組などには出ていたのでそこで試行錯誤しながら力をつけていったのだと思います。

そう考えると自分たちの漫才、お笑いには他のコンビより真摯に取り組み追求していくコンビだという印象です。

チュートリアル2005年!M1に戻ってきたチュートリアル

2005年に行われた第5回M1グランプリでチュートリアルは見事にM1グランプリの決勝に戻ってきます。
とんでもない漫才を引っ提げて。お笑いでいわれる「妄想漫才」といわれるものです。

徳井がのちに別番組で言っていましたがこの「妄想漫才」はトラブルの中から生まれたと言っていました。関西のネタ見せ番組で時間が押し自分たちの番の時間の割り当てが減ったときに「ここでキャラを変えたらどうなんだろう」と突然閃き実行したと言っていました。それに福田も見事に対応したため漫才の形として成立したようです。

ただこの時は客の受けもいまいちであったり、NHKのオンエアバトルでも票が入らなかったりと最初は評価が高くなかったようです。ただチュートリアルの2人は自分たちが生み出した「妄想漫才」に手ごたえを感じていたためこの漫才を密かに磨いていったようです。あまり一般的にもばれたくなかったのであまりネタ見せ番組でも披露することはなかったと言っています。

「妄想漫才」のインパクトは凄まじいものがありました。「BBQ」のネタでしたがおそらくあの形の漫才は私は見たことがありません。

「BBQ」
(福田:BBQに行こうと思っていまして。徳井:ということはそれなりの覚悟があってのことか?)
(覚悟をしていない?BBQに行くのにか?)
(おまえみたいなやつがおるから暇なカップルが朝からパチンコ行くんやないか)
(徳井:(米を)ごん合炊きそうやわ。福田:ごん合いうな!5合でいいやろ!)

そこからバーベキューの具材を串に刺す順番の話しになります。
(ださっ、ふるっ!ディスコブームが到来しとるわ。お前のは)
(ええやないか、お前!)
(近代バーベキューの父、トーマス・マッコイと一緒やないか!)
(やっぱ、お前外人の連れおるやろ!)
など数々の妄想のボケを繰り広げそれに美味い温度で福田が合わせていくという漫才です。

TV越しなので正確には分からないですがかなりの笑いを取っており評価も高かったと思います。

実際審査員の評価もかなり高く松本人志も「すごい」と言ってましたしラサール石井も「芝居になってた」と高い評価をしていました。
出番が後だったブラックマヨネーズの吉田もこの時点で松本人志からの高評価に「かなり悔しかった」と後述していましたね。

結果は9組中5位。
私から見ても「なぜ?」という順位でした。

品川庄司や麒麟に負けていましたからね。実際にブラックマヨネーズがこの後大爆発をするので優勝できたかは分かりませんがちょっとかわいそうな評価だったと思います。

結局この年はブラックマヨネーズの優勝で幕を閉じます。
笑い飯のマリリンモンローの歌い方のネタも肉薄していました。

チュートリアル2006年!M1に再び戻ってきたチュートリアル

結果を先に言うとこの年はチュートリアルは優勝を果たします。
1本目が「冷蔵庫」で2本目が「チリンチリン」です。

私の感想は「冷蔵庫」の方が圧倒的に「チリンチリン」より面白かったと思います。
というよりもM1全てのネタの中で一番面白かったのではないかくらい私には面白かったネタです。

島田紳助も大会の総評で「ターボがかかったいいコンビ」とべた褒めでしたし大竹まことも「時代を変えるやつがこういうタイミングで出てくるんだなぁと感じた」とこちららもべた褒めでしたね。

審査員全員がチュートリアルに票を入れるという完全優勝でした。

「冷蔵庫」
(お前冷蔵庫買うんか?)
(いったん落ち着かせろや)
(ちょっとなんぼかつつむわ)
(何を冷やそかなーみたいなこと考えてんの?)
(ぎ、銀色!?)
(言えやー)
(冷やすなー、わちゃー)
など冷蔵庫を買うだけのことに徳井が狂気のボケを繰り出しそれに普通の感覚の福田が突っ込んでいくという漫才です。

「チリンチリン」
(お前チリンチリン盗まれたんか?)
(大丈夫か?)
(ちょ、いったん休むか?)
(俺もチリンチリンを盗まれた1人なんや)
(ショックを忘れるためにインドへ行ったよ)
(誰もチリンチリンの代わりにはなれへんかった)
(おい、笑ってくれよ)
(ははは、ははは、あはは)
(よし、今日から俺がお前のチリンチリンになるよ)
(よし、来いよ)
(チリンチリン、チリンチリン、チリンチリン)
などただ自転車のベルを盗まれた事に徳井が狂気のボケを繰り出し普通の感覚の福田が突っ込んでいくというスタイルの漫才です

2本目の「チリンチリン」も面白かったのですが1本目の「冷蔵庫」の出来が良すぎたため2本目にもその期待値が加わったかな?という印象があります。

いずれにせよ2006年の第6回M1グランプリは間違いなくチュートリアルの優勝で異論はなかったと思います。

敗北を繰り返しながら漫才を進化させていったチュートリアル

その後チュートリアルはバラエティ番組やラジオなどで活躍を繰り返してお笑い界に欠かせない存在となっていきました。
なので、徳井義実の税金問題の衝撃は大きかったですし、復帰したとはいえ以前のような姿に戻ったかというと正直戻れていないと思います。

徳井のボケは事件以前のもののように面白いかというとどこか遠慮しているというか思い切っていないですし、それに合わせて福田の突っこみの面白さも半減しています。

事件が事件ですしチュートリアルを見ると拒否反応を示す人もまだまだいると思いますしこの先そういった人たちがいなくなるかというと正直厳しいと思っています。

復帰直後の番組でネタ見せ番組、確かベストワンだったと思います。面白かったのですがやはり遠慮というか思い切りがなかったと思います。それはしょうがないと思います。

最初から以前のような姿で漫才を披露したら批判はされるでしょうし思いきりできないのは当たり前のことだと思います。

徐々に少しずつできることをこなして世間の信頼を取り戻していくしか方法はないと思いますが面白い漫才師に戻っていけるように頑張って欲しいと思います。

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